きっと、君に怒られるだろうけれど



映画に集中しないといけないのに、これじゃあ右側で美味しそうにポップコーンを頬張っている美桜にしか意識がいかない。


チラリと隣に座っている美桜を盗み見る。


彼女はポップコーンを持っている手を口の前で止め、スクリーンに映し出されている予告映像をじっと見つめていた。


その横顔は見とれてしまうほど綺麗で美しく、俺が今カメラを手に持っていたら間違いなくシャッターを切っていただろう。


まあ、そんなことをしたら今度こそ『盗撮だ!』と言って怒られてしまうかもしれないけど。

当たり前に隣に座ることが許されて、美桜の綺麗な横顔を無条件で見つめていることが許される権利がほしい。
美桜の恋人になれたらどれだけ幸せなんだろう。

なんて、叶いもしない想いを膨らませながら美桜に気づかれないうちに俺もスクリーンへと視線を向けた。