『全然可愛くないじゃん!』
『えー、このビックリしている感じが可愛くて俺的には好きだったんだけどなあ』
ポチポチ、とボタンを押して画面に映る写真を確認しながらへらりと表情を緩めて平然と言い放った。
す、好き……!?
思ってもいなかった言葉にドクンドクンと鼓動が早鐘を打ち始める。
なんか三春くんがモテるのもわかる気がする。
無意識に女の子に“可愛い”とか“好き”とか言えちゃうんだもん。
そんなの彼を好きになっちゃうに決まっている。
現にわたしだって少し意識して気になってしまっているのだから。
『三春くんがさっき撮った写真見せてよ』
わたしの変な顔を撮る前にも彼はシャッターを切っていた。
どんな写真になっているのか興味が湧いたのだ。
一体、どんな世界が映っているのだろう。
彼が切り取った世界はどんなふうに映っているのだろう。
頭の中で想像するだけで、わくわくして心が躍る。
こんな気持ち、久しぶりだ。
『恥ずかしいからダメ』
『えー、そこを何とか!わたし、三春くんが撮った写真見てみたい』
彼の顔を覗き込んで、両手をぱちん、と合わせてお願いをする。



