きっと、君に怒られるだろうけれど



***


―――あれはわたしが中学2年生の春のこと。

中学1年生の冬に大好きだった両親が買い物に出掛けたっきり、還らぬ人となった。

親戚が引き取ってくれることになったけれど、自分が知っている言葉では表現できないほどの絶望感が襲い掛かってきて、わたしを苦しめた。

未だに両親が死んでしまったのが信じられず、心にぽっかりと空いた穴を埋める方法が見つからなかった。

どうしてわたしだけが生きているのか、と悶々と考えては死ぬことを考える毎日。

それでも弱いわたしは死ぬことができず、埋められない寂しさを抱えたまま、季節が過ぎて春になり気づけばわたしは中学2年生になっていた。


ある日、学校からの帰り道にある桜並木をとぼとぼと歩きながら帰っていると、カシャッとシャッター音が耳に届き、足を止めた。

音がした方へ視線をゆるりと移すとそこにいたのは学年でもかっこいいと噂になっていた三春櫂だった。

彼は心底楽しいという笑顔を咲かせて、様々な角度から桜並木の写真を撮っていて、わたしは何かの魔法にかけられているかのように彼から目を逸らすことができなかったのだ。

確か、三春くんってこの間の写真コンクールで入賞していた気がする。

と、僅かな彼の情報を頭の中から引っ張り出す。