何か言わなくっちゃ。
ここは応援してる、とか言っておくべきなのかな。
「櫂はわたしから見てもすっごくいい男だから自信持ちなよ、応援してるから!」
怪しまれないように、この隠している気持ちがバレないように、できるだけ明るい口調で言い、笑みを貼り付けて櫂の背中を軽く叩いた。
本当は悲しくて、切なくて、胸の辺りがキュッと酸っぱく痛んでいるけれどそれを必死に押し殺す。
絶対にバレてはいけない。この気持ちだけは。
応援している、なんてよく言えたもんだ。
本当は応援なんてしたくないくせに。
今すぐに好きだと伝えて前みたいに二人並んで歩きたいと思っているくせに。
わたしにもう一度、君の彼女になる権利なんてどこにもないのに心は言うことを素直に聞いてはくれない。
「え、あー……うん。美桜に応援してもらったらなんか叶いそうだわ」
「わたし、恋の女神って言われてるから」
「いや、なんだそれ」
「わたしが恋のキューピットになった人達はみんな幸せそうに今も笑ってるんだよ!だから恋の女神」
なんかよくわからないけれど、よく人の恋愛の仲介役になることが多かったわたしは双方の意見も聞きつつ、上手い具合に引き寄せて成功を収めてきたのだ。
まあ、別に自慢できるようなことかと言われればそうじゃないけれど。



