きっと、君に怒られるだろうけれど



「……はあ、それを見守る側の気持ちも少しは考えろよ」

「あんたには悪いって思ってるけど、あとちょっとだけ協力してよ」

「はいはい」


基本的に塩対応な西神だけど、本当はいい奴なのを知っている。

そうじゃないと、いくら彼にも事情があるとは言ってもわたしのことなんて見守ってくれないだろうし。

だから、いつもこうしてついつい頼ってしまう。


「お前らって仲良いの?」


わたしと西神がいつものように話していると、右側から不思議そうな声が聞こえてきた。


「うーん、まあ……?」


幼なじみではないし、昔から仲がよかったわけではない。

ただ、わたしが君に隠していることを全て知っている人物であるというだけ。


「ふーん」

「なんか不満そうだけど」


自分だってさっきまで杉藤さんと仲良さげに話してたくせに。

いや、それでいいんだけれど……どうしても見たくないと思ってしまうのは恋心というものだから仕方ないと目を瞑ってほしい。