翌日。


「はーい、じゃあ今からさっき取った番号の席に各自移動しろー」


今は席替えの真っ只中。


「うわー、俺一番前なんだけど。最悪」

「きゃ、遠藤くんの隣だ……!」


教室がガヤガヤと騒がしくなり、あちらこちらから文句や喜びの言葉が聞こえてくる。

そんなわたしはというと……


「おっ、美桜の隣じゃん。ラッキー」


なんのイタズラなのか櫂と隣の席になってしまった。

また窓際でなおかつ一番後ろの席なんてラッキーすぎる!と喜んでいたのも束の間、黒板に書かれたわたしの名前の横に“三春”という文字が書かれた時、ドキリと悪い意味で心臓が跳ねた。


櫂とまた関わることを選んだのはわたしだけれど、席まで隣になるなんて聞いてないよ。


いや……決して嫌とかそういうことじゃなくて、ただ隣に櫂がいると、こんな至近距離で彼が視界に入ると、授業に集中することができないのが目に見えているから困る。