きっと、君に怒られるだろうけれど



「その分、撮れた写真は三春くんの好きが詰まってるように見えて素敵じゃん」


一秒、一秒を逃さずに、自分が撮りたいと思った瞬間にシャッターを押すんだから必然的にそれは彼が好きだと思った瞬間になる。

写真を撮っている時の櫂は真剣な顔をしているのにどこか楽しそうに目を輝かせているから本当に心から写真が好きなんだな、と感じていた。

わたしの写真は残っていないだろうけれど、いつも嬉しそうに頬を緩ませ、わたしにカメラを向けてシャッターを切っていたのを思い出す。

あの時は何も気にしていなかったけれど、今の話を聞いてから改めて思い返すと彼の中でわたしのことを好きだと思う瞬間が、シャッターを切りたいと思う瞬間が、たくさんあったということになる。


わたしって、自分が思っていたよりも櫂に愛されてたんだよね。

今、気づいたってもう遅いというのに。