きっと、君に怒られるだろうけれど



「美桜……っ」


涙腺が崩壊したように次々と涙がこぼれ落ちてくる。

美桜はずっと密かに俺を想ってくれていたのだ。

その想いが俺にバレないように、見つからないように隠し続けてくれていた。


きっと、自分が死ぬことをわかっていたから。

そんな彼女の深い愛情に胸が痛いくらいに締め付けられる。


美桜に会いたい、会いたいよ。


会って強く抱きしめたい。

もうどこにも行かないようにこの腕の中に閉じ込めていたい。


思い返せば、君は一度も俺に“好き”も“忘れないで”とも言わなかった。


言ってしまえば、たとえ記憶がなくなるとわかっていても一時的に俺を縛りつけてしまうと思ったのだろう。


どこまでも優しい君のことだから、最後まで“忘れて”と言っていた。


果たしてそれは君の本音だったのだろうか。

君の本音はこのアルバムに詰まっていると思ってもいい?


君の好きな人は、俺だって。

世界で一番美桜に愛してもらっていたのはこの俺なんだって。


そう、思っていてもいいかな。