きっと、君に怒られるだろうけれど



「これって……」


それは教室の机に雑に散らばったトランプの写真だ。

きっと俺が撮ったのだろう。

そして写真のすぐ隣に黒い文字で短文が印字されていた。


―――

君の好きなことの話を聞いたり
意味の無いことをして笑い合ったり
しょうもないことで喧嘩したり
なんだかんだあの時間が幸せだった

―――


他にもアイスクリームを食べている俺の写真。


―――


アイスクリームは溶けてなくなるけど
わたしの愛はなくならないよって言ったら
なんだよそれって君が笑った夏
耳まで赤くなってたの 気づいてたよ

―――


コーンスープを両手で持って白いマフラーに顔を埋めている美桜の写真。


―――

君とベンチで白い息を吐きながら
肩を寄せ合って飲んだコーンスープは
今まで一番優しい味がした

―――


俺と美桜が離れないようにしっかりと手を繋いでいる写真。


―――

小さな幸せを積み重ねて
それが二人の道になってゆくのなら
いつかその道の先で君という名の愛に辿り着きたい

―――