すぐに返したら気持ち悪いかなって思ってもちょっとでも多く会話したくて結局すぐにトーク画面を開いてメッセージを送っちゃっていたり、何をするにも君を優先してしまって周りの人にちょっと怒られちゃったり、わたしの世界は君を中心に回っていた。


わたしがこんなことをしていたって知ったら、なんで自分を犠牲にしたんだって、きっと、君は怒るだろうけれど、それでもわたしは君にありふれた幸せをあげたかった。


世界で一番幸せになってほしいと思ったから。

自分を犠牲にしてもいいと思えるくらい大切で大好きな人だから。


櫂、好きだよ。大好き。

だから、どうか幸せになってね。


―――美桜、ありがとう。俺は絶対に君を忘れないから。


消えゆく意識の中で、わたしの世界の中心である誰よりも愛おしい君の声が聞えた気がした。