きっと、君に怒られるだろうけれど



わたしに歩幅合わせて歩いてくれるところとか

さりげなく車道側を歩いてくれるところとか

いつもそっと優しく頭を撫でてくれるところとか

感動系の映画を観たら絶対わたしより泣いてるところとか

写真撮るのは上手いくせに撮られるのには
慣れてなくて真顔になっちゃうところとか

ちょっと字が汚いところとか


君のなにもかもが大好きで、愛おしくて好きが溢れてくる。

想えば、想うほど心が君で溢れていく。


大好き。愛してる。

もうそんな言葉では表しきれないほどに。


でも、もう君には言えなから。


メッセージを送信する為に“か”と打つと変換のところに一番最初に出てくるのは“櫂”という君の名前で、それを押すと次に変換のところに出てくるのは“好きだよ”の四文字だった。


当たり前のように伝えられていた想いはいつの間にか伝えられなくなっていた。

たった、四文字が伝えられない。


それがどんなにもどかしかったか。


好きで好きでたまらなくてどうしようもなくらい君を想っても叶わないことくらいわかっていた。


そして、この想いが叶ってはいけないことも。


毎日来る君からのメッセージが嬉しくて待ち遠しくて、ついつい夜更かししちゃって次の日が眠くても幸せだなって思えちゃうくらい君が好きだった。