大丈夫だよ。
君と過ごした時間も思い出もわたしが忘れずにあの世に持って行くから。
だから、櫂はもう忘れていいんだよ。
そういう契約だから。
君はわたしが消えた後は苦しまないでどうかお日様みたいに優しく笑っていて。
だけどね、本当はわたしも君と一緒にまた二人が大好きな春に淡いピンクが咲き乱れる満開の桜を見たかったんだよ。
でも、もう時間切れ。
明日の朝にはみんなの中からわたしという存在は消えてなくなっている。
誰も覚えていない。それでいい。
わたしは君のために消える。
全ては君のために、愛する君のために、決めた道だった。
だけど、君との別れは辛くて苦しくて心臓がえぐられるみたいにズキズキと痛んでどうしようもないほどの悲しみが湧いてくる。
それでも、限られた時の中でわたしは君に恋して、愛することができて本当に幸せだったよ。
君を好きになっても楽しいことばかりじゃなかった。
醜い嫉妬もしたし、たくさん泣いた。
でも、その分たくさん笑い合った。
数えきれない思い出たちがわたしの胸の中でキラキラと宝石のように輝いているのだからやっぱりわたしは君に恋してよかったと心の底から思っている。



