きっと、君に怒られるだろうけれど



***


あれからもう半年が経ったなんて早いなあ。
この半年間でわたしは櫂にどれだけの恩返しができただろうか。

まだまだ足りていない気がするけれど、もうお別れだ。

櫂は展示会にどんな写真を出品しているんだろう。

ふと気になった。

風景写真かな。それとも人物写真だろうか。

どちらにしてもやっぱり最後にこの目に焼き付けておきたいな。


「……最後くらい西神の言うことも聞いてあげるか」


何度もわたしの言うことを聞いてくれた西神。
きっと、わたしと櫂のことを想って言ってくれたのだろう。

その気持ちを無駄にしちゃダメだよね。
まあ……ただ、わたしが櫂の写真を見たいだけなんだけど。


大丈夫。

わたしなら、きっとちゃんとさよならできるから。

心の中で自分を励ましながらわたしはひっそりと覚悟を決めて屋上を後にした。