きっと、君に怒られるだろうけれど



言わなくてもわかる、だとか、触れ合わなくても伝わってる、だとかなんの根拠もないかっこ悪い思い込みで櫂との大切な時間を、彼の大切な気持ちを踏みにじった。


他人の考えていることなんて自分の言葉にして伝えないと分からないし、触れ合うのだって恋人として二人の仲を深めるために必要な印だったのかもしれない。

わたしは大馬鹿者だ。
なんでこんな大切なこと今更になって気づくの。


櫂はいつだってわたしのことを見てくれていたのに。
その優しさで包み込んで守ってくれていたというのに。


わたしは彼を傷つけることしか出来なかった。


そこにある当たり前に慣れて、1番大切にしたい人の気持ちを蔑ろにしてしまっていたなんて最低だ。

そのまま何をする気にもなれず、気づけば外は暗くなって頼りない月明かりが部屋をほのかに照らしていた。
わたしは夜になっても櫂を想って泣いて、完全に心ここに在らずという状態だった。

何をしていても何を食べても頭の中に浮かぶのは櫂のことばかりで、なにも手につかなかった。

部屋の中で膝を抱え、蹲り、何度も何度も君を想って泣いていた。


どうして櫂があんな目に……?


できることならわたしが代わってあげたい。