きっと、君に怒られるだろうけれど



その当たり前が日常に溶け込んで、会話が減り、指を絡ませ手を繋ぐことも、ぎゅっと抱きしめ合うことも、唇を重ねることも、好きだと口にすることも、少なくなって、一緒にいられることの大切さや櫂の優しさに目を向けることがなくなっていた。


そんなことよりも自分のことで頭がいっぱいだったのだ。


わたしばかりって勝手に思い込んで、櫂のことをちゃんと見ていなかった。


あの時の櫂はどんな気持ちだったんだろうか。


寂しくはなかったかな。

辛かったのかな。


失ってから気づいたってもう遅いということは分かっているけれど、わたしはずっと彼が与えてくれる優しさに甘えていただけだったのだ。