きっと、君に怒られるだろうけれど



『うぅ……っ、か、い……っ』


わたしは、両手で顔を抑え、ただひたすら涙を流した。

泣いても、泣いても、心の痛みはとれなくてむしろ増すばかりだった。


いつからわたしは櫂のことをちゃんと見ていなかったのだろう。
見ていた気になっていたのだろう。

最初はみんないつまでも仲良しでラブラブでいたいと思っているはずだ。

それが、時が経つにつれて君の存在が、例えると毎日歯を磨くのと同じように生活の一部になってしまっていて、わたしは君の存在の大切さや大きさに気づけなかった。


付き合う前や付き合った頃はもっとちゃんと櫂のことを見て、聞いて、知りたいと思って毎日心を弾ませていたはずなのにいつからか櫂が隣にいる生活が当たり前になっていたのだ。