きっと、君に怒られるだろうけれど



早めに出てってどういうこと……?

わたしとの約束の時間は13時だったんだよ?

寝坊したんじゃないの?


『あの子、はりきってオシャレして出かけて行ったのに……っ』

『そんな……っ』


じゃあ、櫂はプレゼントを買うために遅れたの?

わたしは突然、明かされた秘密に動揺の色を隠すことができずに何も言えなった。

それから、あとは家族の時間を過ごしてほしいと思い、おばさんとおじさんに深々とお辞儀をしてから病室を出た。


病院を出てからのことはほとんど覚えていないけれど、機能していない頭でなんとか家に辿り着いたらしい。

部屋の電気もつけず、薄暗い中でぼぅっと紙袋を見つめる。

なんでバイトのこと、言ってくれなかったんだろう。
でも、櫂のことだからサプライズにしたかったんだろうな。

そう思いながらボロボロになったピンク紙袋の中から綺麗な包装紙で包まれたプレゼントを取り出す。


包装紙は汚れてはいないけれど、プレゼントは事故の衝撃で箱が少し潰れていた。

その状態からどれほどの衝撃が彼の身体を襲ったのかがわかって心臓が握り潰されているかのように痛んで、苦しくなる。


恐る恐る、潰れた箱を開けるとそこにはピンクのケースが入っていた。