きっと、君に怒られるだろうけれど



だけど、今までと決定的に違ったのは表示されていた電話番号が知らない番号だったこと。

なぜか嫌な予感がする。
ざわざわと妙な胸騒ぎを感じながらわたしは画面をスライドしてそっとスマホを耳に当てた。


『もしもし……』

『あ……美桜ちゃん……?櫂の母です。突然ごめんね。実は櫂が事故に遭って、今とても危ない状態なの……っ』


その言葉を聞いた瞬間、持っていたスマホがするりと手から滑り落ちた。


嘘だよね……?

櫂が事故に遭ったなんて……悪い夢だよね?

そんな……嘘だ。
信じられなかった。

さっきまで一緒にいたのに、さっきまでわたしに電話をかけてきてくれていたのに、この一時間程で事故に遭って危険な状態だなんて……信じたくない。

このまま会えなくなるなんて嫌だよ。
神様は、またわたしから大切な人を奪うの?


『大嫌い』


醜い嫉妬にまみれた気持ちから咄嗟にそう言ってしまった自分を心底恨んだ。

大嫌いなんて思っていないくせに。
本当は大好きなくせに。

わたしは居ても立っても居られなくなって床に落ちたスマホを拾い、櫂のお母さんに櫂が搬送された病院を聞くと、すぐに家を飛び出して病院に向かった。