きっと、君に怒られるだろうけれど



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今から半年前の3月10日。

その日はわたしと櫂が付き合って一年になる日だった。

わたしはそんな特別な日に彼氏である櫂と大喧嘩をした。
きっかけは本当に些細なことで、記念日デートを約束していたのに櫂が一時間も遅刻して来たからだった。


『遅くなってごめん!寝坊しちゃって』


待ち合わせ場所にようやくやって来て開口一番に彼はわたしに謝罪の言葉を述べた。


『楽しみにしてたのに……!』


寝坊だと言った櫂に向かってわたしは怒りの感情と涙が込み上げてきて心の中がぐちゃぐちゃになっていた。

ずっと、楽しみにしてプレゼントも用意していたのに寝坊なんてありえない。

櫂はわたしとのデートは楽しみじゃなかったの?


『ほんとにごめん。でも俺も楽しみにしててさ……』

『……帰る』


わたしは櫂の言葉を遮って、鋭い視線で彼を睨みつけた。


『え?』


今日ばかりは許せなかったのだ。

櫂は優しいから他の女の子からも人気があって話しかけられると無視とかできないから話してしまう。

そこまでは仕方ないからいいけれど、いつも楽しそうに話すのだ。

理解しているつもりでもわたしの心の中は徐々にどろどろとした黒い感情が蓄積されていた。
それが今回の遅刻で耐えきれなくなって爆発してしまったのだ。

こんなに好きなのはわたしだけなんだって。