きっと、君に怒られるだろうけれど



俺の言葉に佑香が眉を下げ、小さな声で「そっか……」と呟いた。

もう一度“ごめん”と言おうとした瞬間、


「あーあ、振られちゃった。まあ、99%無理だってわかってたんだけどね……それでも1%に懸けて奇跡が起きないかな、なんて思ってたんだ」


泣き笑いを浮かべながら佑香は頬を伝う涙を拭った。

心の中が何とも言い難い複雑な気持ちでいっぱいになるのを感じる。


気まずくはなりたくない。

今だって何か言うべきなのに。

でも、今までとなんの変わりもなく接してしまったら佑香はその度に辛い思いをして傷つくんじゃないか。


そう思うと、途端に口が重くなって言葉が出てこなくなり、思わず押し黙ってしまった。

だけど、長い沈黙を破ったのは彼女の方だった。


「これからも今まで通り仲良くしてよね!ていうか、変に気遣ったりしたらぶん殴るから!」


泣き止んだ彼女が赤く腫らした目を優しく細めてそう言った。

そんな姿に自分の不甲斐なさをひしひしと感じて、胸が苦しくなる。


勇気を出して伝えてくれた佑香に気を遣わせてどうするんだよ。

こういう時に何も言えない俺は本当にダメなやつだ。


「……ありがとな」