きっと、君に怒られるだろうけれど



結局、どうしてこんな現象が起こっているのかわからず、消化できないモヤモヤした気持ちを抱えたまま、部室を後にして教室へと戻った。


「あ、櫂」


教室に戻ると、もう16時だというのに佑香が一人で椅子に座っていた。


「え、まだいたのか。佑香」


そう言いながら自席へと向かい、横のフックにかかっていたバッグを取って、肩にかけた。

こんな時間までなにをしてるんだろう。
いつもなら帰ってるはずなのに。


なんて不思議に思いながら見ていると、


「あんたを待ってたんですー」


待ちくたびれたとでも言いたげな表情でそう言い、ゆっくりと椅子から立ち上がった。


「なんで俺のことなんて待ってたんだよ」


何か約束とかしてたっけ。

そもそも佑香が俺を待っていたことなんてほとんどない。

家には勝手に入ってくるくせに一緒に帰ろうなんて言葉をかけたれたことはなかった。


「そりゃあ、わたしの覚悟が決まったから」

「覚悟?」

「うん。いつか言わなきゃって思ってたこと。きっと櫂に伝えないとわたしずっと引きずったまま、次にいけないからさ」