きっと、君に怒られるだろうけれど



俺と同じ気持ちの部員がほとんどなのかあちこちから驚きの声が洩れた。

去年まではそんなのなかったのに、と言いたいのだろう。

今年から顧問の先生が変わったからなのかもしれない。

まあ、写真部としては自分の撮った写真を展示してもらえるのはありがたい事だけどな。


「そうだ。写真のデータは来週末までに提出するように。あとはタイトルも必須だからそれも併せてメールで送ってくれ。以上」


それだけ言うと顧問の先生は用があるとかで颯爽と部室から出て行った。


自信作……か。

ふと、脳内に浮かんだ一枚の写真。

堂々と咲き誇るピンクを見つめながら優しく目を細めて微笑んでいる彼女。

だけど、すぐに頭を左右に振って脳内から消し去った。

いやいや、さすがに盗撮した写真を勝手に展示するのはマズいだろ。

でも……許されるのなら俺はあの写真を展示したい。


他の誰かに見られてしまうのはちょっと嫌だけど、俺が今まで撮った写真の中で一番魅了された写真だから。

ていうか、俺って今までどんな写真撮ってたっけ。


最近は自分の写真を見返すことなんてなかったからあまり思い出せない。