きっと、君に怒られるだろうけれど



「……あのね、櫂。あなたの挑戦したい気持ちはわかってるつもりだけど、親としてあなたには安定した人生を歩んでほしいの。この前も言ったけど好きな事で生きていけるほど世の中は甘くないのよ」


母さんがじっと俺の目を見つめながら落ち着いた声で言った。

それは反対された時のように棘のある声ではなかった。

きっと、母さんも父さんもあれから俺の将来のことを色々と考えて、相談してくれていたのかもしれない。


二人が俺のことを心配してくれているのはよくわかっている。

だけど、俺は諦めたくない。
できるところまではやってみたいんだ。


母さんの言葉に「……わかってるよ」と小さく呟いてそのまま言葉を続けた。


「父さんと母さんが俺のことを想って言ってくれてるのはわかってる。でも、俺は夢を叶えたいんだ。俺が撮った世界中の写真を色んな人に見せたい、見てもらいたい」

「櫂……」