「いつかさ、俺の写真と美桜の考えた短文を組み合わせて何かできたらいいよな」


虫の鳴き声をBGMに二人並んでゆっくりと歩く帰り道。

俺はふと思いついたことを口にした。


「おー、いいね!わたしと櫂のコラボレーションじゃん」

「だろ?」


つい口にしてしまったから引かれたらどうしようと思っていた。
でも、意外と乗り気になってくれている様子をみて胸をなでおろした。


写真と短文。

俺たちの好きなものを組み合わせていつか形にできたらいいな、と思う。


「そのためにも櫂にはいい写真撮ってもらわないとね~」


ニヤニヤと頬を緩ませながら言う彼女。

そんな彼女に「任せといて」と言い、ポンっと胸を叩いた。


そう遠くはないうちに叶うといいな。

そしてまた来年もこうして二人で花火ができますように、と俺はむんむんと蒸し暑い夜の星に願った。



―――花火みたいに消えたりしないこの想いをいつか君に伝えられたのなら俺は最大級の愛で君を包むから。