きっと、君に怒られるだろうけれど



わたしも初めて知った時は櫂みたいに驚いた。
てっきり、どこの花言葉も一緒だと思っていたからだ。


「うん」

「例えばどんなのがあんの?」

「それは自分で調べなよ」


今のわたしが君にその花言葉を伝えてしまうと心の奥で頑丈に鍵をかけて閉じ込めている気持ちが溢れてしまいそうだから口にしたくない。


「えー、教えてくれてもいいじゃん」

「自分で調べるから意味があるの」


きっと、君は調べないだろうけれど。

それがわかっているから言わない。


「ま、いつか調べてみよっと」

「そのいつかが来る頃には櫂の頭は白くなってんじゃない?」

「おい、おじいさんになるまでって言いたいのか」

「だって、ほんとのことだもん」


クスクスと小さく笑いながら窓から離れて、自分の席に腰を下ろした。

すると、櫂も「俺だってやる時はやるんだよ」と文句を垂れながら前の席に座ってカメラをケースの中になおす。


「櫂のせいで全然勉強進まなかったじゃん」

「まあまあ、これも青春の醍醐味ってことで」