きっと、君に怒られるだろうけれど



子供のわたしたちには背負わなくてもよかった責任が重くのしかかってくるのだろう。

日常を生きるのに必死で小さな幸せを見過ごしている人たちにいつか櫂の撮ったあたたかい写真が届いて、あの頃のわたしのようにとりあえず明日も頑張って生きてみようと思って救われる人が少しでもいてくれたらいいな、と思う。


「……桜の花言葉ってどんなのだっけ」


しばらくの沈黙のあと、櫂がすっかり緑になってしまった桜の木を見つめながら小さな声で櫂が言った。

そういえば、櫂は花言葉とかそういうのに疎かったなと思い出した。
だけど、わたしが教えてあげると目を輝かせて花が咲いたような笑顔を浮かべていたっけ。


「日本では“精神の美”とか“純潔”、“優美な女性”とか結構色々あるらしいよ」

「へえ!なんか美桜にピッタリだな」


そう言いながら、薄い唇が弧を描く。


「別にそんなことないよ。ちなみに海外での桜の花言葉はまた違った意味があるんだって」

「え、日本と海外で違うの?」


櫂が驚いたように目を丸くしてこちらを見る。