きっと、君に怒られるだろうけれど



椅子から立ち上がり、虹を見つめながら窓の縁に手を置いた。


本当に虹にふもとがあるのかは知らない。

妖精がいるのかも知らない。

だけど、聞くだけで少しワクワクした気持ちになるからわたしはそういう話が好きだ。


言い伝えだけじゃなくて、宝石言葉とか花言葉、お菓子言葉。
そのどれも知るたびに面白いなと思う。


「まじで?俺今から虹のふもとまで行ってこようかな」

「ほんと単純だね」

「お金持ちになれるは魅力的だろ」


多くの人がお金持ちになりたいという願望を抱いたことがあるように、彼もそう思っているのだろう。

わたしもお金持ちになりたいと思ったことがあるし。


「まあ、確かに」

「でもさ、たとえお金持ちになれなくてもこんなに綺麗な虹が見れるなら十分に思えるわ」


柔らかく目を細めて七色のアーチを見つめるその横顔は、思わず見とれてしまうほど綺麗で鼓動が騒がしく音を立て始める。


「お金では買えないものだってあるもんね」