きっと、君に怒られるだろうけれど



わたしの好きな人は目の前にいるのだから。


「いーや、俺はこういうの当たったちゃうタイプなんだよな」

「ほんとかな」


小さく笑って視線を何気なく外に向けると、視界に入った景色に目を奪われた。

わたしの視線の先を追って櫂も視線を外に向け「……虹だ」とぽつりと呟いた。


いつの間にか雨が止んで、空には大きな七色の橋が架かっていた。

雲間から射し込む光がなんだか希望の光みたいに見えて、しばらく景色に見とれていると隣から「カシャ」とシャッター音が聞こえてきた。


ふと、そちらに視線を向けるとキラキラと表情を輝かせながら櫂が虹にカメラを向けていた。

そんな彼の姿に思わず笑みがこぼれる。

最近、悩んでいると言っていたし櫂が写真を撮る姿をしばらく見ていなかったからホッと胸をなでおろした。

あんなに眩しいくらいの表情をしているんだから櫂が心の底から写真が好きだということが伝わってくる。


「ねえ、知ってる?アイルランドでは“虹のふもとに妖精が金貨を隠していて、そこへ行けばお金持ちになれる!”っていう言い伝えがあるらしいよ」