きっと、君に怒られるだろうけれど



「すごいじゃん。でも他の教科も頑張らないと卒業できないぞー」

「うっ。痛いところ突いてくるな。あ、じゃあ俺が卒業できるように美桜が俺に勉強教えてよ」

「やだよ」

「なんで即答なんだよ」


無理だからだよ。
私はもうすでに守ることのできない約束を交わしてしまっているのだ。

これ以上、守れない約束はするべきじゃない。


「櫂、飲み込み悪そうで大変そうだから」

「うわ。俺、今ので傷ついたからもうやる気なくなった」


そう言いながら拗ねたような表情をして顔を机に伏せた。


本当に困った人だ。


それでもわたしは君が好きだという感情を消すことができない。
上書き保存だってできない。

一生、更新されることのないたった一人の大好きな人なのだ。


どうやったって櫂以上に好きになれる人なんて現れない。

わたしの中では昔も今も、これから先も櫂が一番大好きな人だから。
でも、君はどうかわたしのことは思い出さないでほしい。


わたしのことは全部忘れたまま、一番好きだと思う人を大切にして生きていってほしいから。