なぜか嬉しそうに笑いながら机の上にテキストを広げる。
青春ね。
わたしの青春は間違いなく櫂だよ。
中学生の時に二人で教室に残ってトランプや黒板を使って絵しりとりしたこと、高校生になって放課後にカラオケに行ったこと、コンクール用の写真を撮るために二人で色んなところに行ったこと、満開の桜の木の下でお花見をしたこと、寒いねってお互いがプレゼントし合ったマフラーを首に巻いて手を繋いで帰った帰り道。
一つ一つが胸に刻み込まれていて、そのどれもを鮮明に覚えている。
出会って2年間。
わたしの中でも、櫂の中でも、きっとお互いがどうしようもないほど大切な存在だったのだ。
「櫂の青春ってミーハーだね」
「うるせえ。ここわかんないから教えてよ」
テキストを開いてまだ5分も経っていないのにさっそくわからないところを聞いてくるのが何とも櫂らしい。
「ほんと櫂って英語しかできないよね」
少し呆れ気味に言うと、櫂はきょとんと目を丸くしていた。
その顔を見てわたしはすぐに自分の失態に気が付いた。



