きっと、君に怒られるだろうけれど



そして、にいっとチャームポイントの八重歯を覗かせながらこちらに向かって歩いてきた。

どうしてこんなところに櫂が……?
佑香ちゃんと一緒に帰ったんじゃないの……?


「なんでここに……」

「それ俺のセリフな。ちなみに俺は図書室で遅れた分の勉強でも取り戻そうと思ったんだけどたまには気分を変えて教室でもいいかなーって思ってきたらまさかの、美桜がいた」


わたしの席の前、つまり西神の席の椅子を引いてわたしの方を向いたまま腰を下ろした。


「そうなんだ。じゃあ、わたし帰ろうかな。邪魔になるだろうし」


もしかしたら佑香ちゃんも後から来るのかもしれない。
だったら、わたしはここから一秒でも早く立ち去るのが正解だ。

佑香ちゃんがここにきたらわたしと櫂の3人。

本音を言えば、自分が地獄のような空間にいたくない。

だから、一刻も早くここから立ち去りたくて持っていたシャーペンをペンケースにしまおうと手を伸ばした瞬間、がしっと目の前の彼に手を掴まれた。


「な、なに?」