きっと、君に怒られるだろうけれど



***


放課後になり、わたしは一人教室でノートを広げてザーザーと降りしきる雨に容赦なく打たれる桜の木を見つめていた。

今日見た夢のせいかすぐに家に帰る気にはなれなかったのだ。


「もう、散ってる」


数週間前まであれだけ綺麗に花を咲かせていた桜の花は連日降った雨のせいで、もう散ってしまっていて緑の葉へと姿を変えていた。

もう少し見ていたかったなあ、と名残惜しんでいるとガラッとドアが開く音がした。

弾けたようにそちらに視線を向けると、そこにはスクールバッグを肩にかけた櫂が立っていた。


「え」

「美桜?」


思わず、洩れた声。

彼もわたしを見るなり、びっくりしたように目を丸くしてわたしの名前を呼んだ。