きっと、君に怒られるだろうけれど



前を向けば、視界に入ってくるのは自分ではない人と並んで楽しそうに笑い合いながら少し先を歩く大好きでたまらない人の姿。

誰が見てもお似合いの二人が付き合うのは時間の問題なのかもしれない。
君がもし他の誰かと無事に付き合えた時はちゃんと「おめでとう」と伝えられるように頑張るから。


「相変わらず、バカなやつだな」

「ちょっとは慰めてくれてもいいのに。冷たいヤツだなあ」

「俺は忙しいからお前に構っていられないだけだ」


今日もわたしの知らないどこかで彼は自分に課せられた使命をこなしているのだろう。

忙しいはずなのに、わたしに時間を割いてくれているところに彼のぶっきらぼうな優しさを感じる。

まあ、彼は自分のことを優しいだなんて微塵も思っていないだろうけど。


「はいはい。どうせわたしは暇ですよーだ」

「こんなことして意味なんてあるはずがないのに」


不貞腐れているわたしに、追い打ちをかけるように西神が嫌味を言ってきた。