「そうだよ……わたしが書いた。でも、これってどこで拾ったの?」
「昨日、図書室でたまたま落ちてたのを拾ったらすげえいいことが書かれてたから絶対に持ち主を探したくてさ。ごめん、強引なことして」
昨日、図書館で思いついた言葉を付箋に書いてちゃんと貼り付けたはずだったのに、力が弱かったのかはたまた貼るのを忘れていたのか、どちらにせよちゃんとノートに貼り付けてられていなかったんだ。
なにやってんのよ……わたし。
まあ、彼は何も覚えていないから見られてまずいものでもないからいいか。
目の前でこちらが申し訳なくなるくらい深く頭を下げている彼の肩をそっと叩いた。
「ううん。大丈夫だから。それ、捨てといていいよ」
別にまた思いついたら書けばいいだけの話だし、わざわざ返してもらおうだとかそんなことは思っていない。
でも、このまま彼に持っておかれるのもなんだか嫌なので捨てておいてほしい。



