さすが、櫂。
あの西神にも何の遠慮もなしに話しかけている。
西神に君たち二人のコンビ好きだけどなあって言ったらきっと嫌そうに眉をひそめて「アイツと一緒にするな」って否定してくるんだろうな。
「ね、あの二人いつの間にか仲良くなってるよ」
耳元でこっそりと囁かれた佑香ちゃんの言葉にわたしは深く頷いた。
佑香ちゃんは仲良くなってみると、すごくいい子で安心して櫂を任せることができるなと改めて思っている。
なんて、上から目線みたいになってしまうけれど。
「ほんとだね。櫂ってすぐ誰とでも仲良くなるからすごいよね」
「まあ、櫂は昔っから人見知りとかしなかったから」
西神と戯れている櫂の背中を優しい眼差しで見つめながら言った佑香ちゃん。
その顔はまさに恋する女の子の顔だった。
ズキンと痛んだ胸の痛みには気づかなかったフリをした。
「そうなんだ」
「うん。コミュ力お化けなんだよ」
「確かに」
余計なボロを出さないように気を付けながら会話をする。
彼はコミュ力お化けで明るいからきっと彼の夢である世界中へいつか飛び立っても色々な人に助けてもらいながらも生きていくんだろうな。
なんか、想像できるよ。



