きっと、君に怒られるだろうけれど



なんて言っていたのに、数十分後には目の前で机に伏せて『なんで毎回負けるんだよ~』と嘆いている櫂。

そう、勝負はまたわたしが勝った。
あれからジョーカーがわたしの手元に来ることはなく、勝負は終わりを迎えたのだ。


『櫂がわかりやすすぎるからだよ』


慰めるようにそう言い、ふわふわの黒髪をそっと撫でる。


―――好きだなあ。櫂のこと。


心の声が洩れてしまわないように意識するけれど、自然と頬が緩んでいくのが自分でもわかる。


『うるせえな』

『で、櫂がわたしに秘密にしてることってなんなの?』


何を言われるんだろう。
櫂がわたしに言えない事。まったく想像がつかない。

彼がむくりと体を起こして、真っ直ぐにわたしを見つめた。

その表情はどこか緊張しているような気がする。

そんなに言いにくいことなのかな、とわたしも少し身構えて彼の言葉を待っていると、覚悟を決めたような顔をして形のいい唇がゆっくりと開いた。


『俺、美桜のことが好きだ』

『……え?』


突然の言葉にわたしは思わず呼吸を止めた。