きっと、君に怒られるだろうけれど



その言葉を聞いて彼がトランプを引きやすいように前に持っていくと、わたしの顔をじっと見つめながら一枚一枚カードの上を触っていく。

そんな櫂は真剣そのものでつい噴き出してしまいそうになるのを必死に堪える。


『おい、笑うなよ』


堪えきれずに肩が揺れてしまっていたことに気づいた櫂がぴゅと唇を尖らせて拗ねている。


『ごめんごめん。あんまりにも真剣だったから』

『今日の俺はジョーカーなんて引かねえんだよ』


そう言いながら自信満々に引いた一枚のカード。

それを自分の手元に戻してカードをみた瞬間、櫂はため息をついてわかりやすく肩を落とした。


『さっそく引いてるじゃん』


開始1分も経たないうちにわたしの元にあったジョーカーは彼のところへと行ってしまった。

自信満々にジョーカーを引いてしまうあたり、櫂らしくて自然と笑顔がこぼれる。


そういう真っ直ぐで純粋なところに惹かれたんだ。


『最後にジョーカー持ってなかったらいいだけだし。勝負はここからだ!』