きっと、君に怒られるだろうけれど



「んー、最近の将来の夢って叶うのかなとか色々考えてたらさ、どんどん悪い方に考えちゃって」


なんで俺は美桜にこんなことを話してしまっているんだろう。

誰にも言えずに悩んでいたのに、不思議な魔法にかけられているかのようにするすると言葉が出てくる。


「そっかあ。この年齢になると進路がチラつくもんね。大人に近づけば近づくほど、人って臆病になるらしいよ。守るものや守りたいものが増えるからなのかなあ」


確かに美桜の言う通り、大人に近づけば近づくほど人は一歩を踏み出さなくなる。
躊躇して安全な道へと選ぶのだ。

それはきっとみんな何かしら壊したくないものがあるから。

今の生活だったり、未来を生きる自分のこと、家族のこと。

人それぞれだけど、みんな失敗して大切なものが壊れてしまうのが怖くて人の後ろをついて歩いていくのだ。
俺だってその一人にすぎない。


「……俺さ、夢があるんだ」

「夢?」


美桜は突然の俺の言葉にコテンと首を傾げた。