きっと、君に怒られるだろうけれど



美桜は嬉しそうに頬を緩ませながら大切なものを見るかのような優しい眼差しで写真を見つめ、ゆっくりとスクロールしていく。


「大したもんは映ってねえよ。俺がいいなと思ったやつしか撮ってねえし」


彼女がスマホを見ているため、完全に手持ち無沙汰な俺はそばにあった石ころを蹴飛ばした。

最初は勢いよく飛んで行った石ころも次第にスピードを失くし、少し先で止まった。


―――今の俺のようだ。


なんて、さすがに悲劇のヒロインを気取りすぎているか。

俺は写真を撮ることが好きで、大人になったらそれを職業にして生きていきたいと思っている。

誰にも話したことがないけれど、夢だってある。
だけど、それは叶えられるのだろうか。

高校二年になった今、色々と現実が見える年齢になってきたからこそ、先の見えない未来に不安を抱いて最近はシャッターを切るのが怖くなった。

カメラを構えても“今だ”と思う瞬間が現れないのだ。