きっと、君に怒られるだろうけれど



咄嗟に口から出た言葉は我ながら苦しい嘘だと思う。


「え……?」


突然のことに美桜はぽかんと口を開けて驚いている。
こんな時間から一体何の用事があるのだと言われれば、きっと俺はまた嘘丸出しの回答しかできないだろう。

なんて言葉が返ってくるかドキドキと鼓動を高鳴らせながら手に汗を握る。


「それなら三春に送ってもらえ。俺は帰るから。じゃあな」


ポーカーフェイスを崩すことなく、西神はそう言うとくるりと背を向けて家までの道を歩き始めた。


「え、ちょ……」


困惑している美桜を見ていると、罪悪感にさいなまれそうになる。

だけど、これで俺が美桜と二人きりになれるんだ。


「ごめん。俺、どうしても美桜と二人で帰りたくてさ」


なんか美桜に謝ってばかりだな、と頭の片隅で考える。


「ううん。送ってくれてありがとう」

「じゃあ、行こうか」


俺の言葉に美桜が頷いたのを確認してからすっかりと薄暗くなった帰路を歩き始めた。


「今日めちゃくちゃ楽しかったなあ」