もう、妹じゃイヤ。

 和兄の手を取ると、ぐいっとわたしのことを引っ張りあげてくれた。


「ありがと、和兄」


 あたしが笑顔でお礼を言うと、和兄はあたしにくるりと背を向けた。


「和、兄……?」


 おそるおそる和兄の背中に声をかける。

 急にどうしちゃったんだろ。

 ひょっとしてあたし、なにか和兄を怒らせるようなことしちゃった?


「あのさ、もしリレーで優勝できたら——もう『和兄』って呼ぶのやめてくれる?」

「え……な、なんで?」


 心臓がバクバクとうるさい。


『おまえの兄貴じゃないんだから、気安く呼ぶな』って意味じゃなかったとしたら……。

 ……ねえ、期待しちゃうよ?