もう、妹じゃイヤ。

 和兄のお荷物にだけはなりたくなかったのに。

 ただ、和兄のうしろを追いかけるだけじゃなく、隣に立ちたいって思っただけなのに。

 こんなことなら、ブロック対抗リレーになんて立候補すべきじゃなかった。

 いつもみたいに、観客席で応援していればよかった。


「なにメソメソしてんだよ。まだ負けてないだろ」

「だってあたし、足遅いから……」

「紗季が遅いんなら、俺がその分二倍速く走ればいい」

「そんなのムリだし!」

「とにかく。もうアイツらには『ヤバい』なんて二度と言うなって釘刺しとくから。ほら、一緒に戻るぞ」


 そう言うと、先に立ち上がった和兄が、わたしに向かって右手を差し出した。


「……」


 でも、まだ戻る勇気がない。