五年の想いを抱えて

「長いんすけど。手短にって言いましたよね」

「まだそんな経ってないだろ」

「授業あるんで、失礼します」

私は晴葵に腕を引かれて歩き出した。

「今後一切、玲に手、出さないでください。なんかあったら、許さないんで」

先輩の横をすれ違いざま、晴葵が何か先輩に耳打ちした。

「…玲をこれ以上怖がらせたらまじで許さないから」

先輩がこっちを振り向いたのが視界の隅に見えたが、晴葵の歩く足が速くてすぐに通り過ぎた。