心なしか、中原さんの声にもいつもより張りがあるような気がする。
やっぱり、中原さんも不安だったのかな。
高橋さんが居ると安心するって、前も言っていたし。 高橋さんが居なくて不安だったのは、私だけじゃなかったんだ。
ふと顔をあげて2人が会話している姿を見ると、心が和んでホッとした。
この景色じゃないと、どうも落ち着かない。
そう思うと、不思議と昨日までの仕事の進み具合よりも順調だし、忙しくてもそれはそれでまた仕事が楽しく感じられた。
やっぱり高橋さんが居ると居ないとでは、中原さんには悪いが雲泥の差がある。
でも、そこは部長職でもあるわけだし、中原さんと比較するものでもない。
1週間ぶりに高橋さんが席に居るのでやたらと経理の女性陣もわざわざ下の子に行かせないで自分で捺印をもらいに来るお局様が多く、それは他の部署にも広がって今は紺野さんまでもが登場していた。
「高橋さん。 モテモテで大忙しですわ」
わざと、お局様の口調を真似て折原さんが通りすがりに通路から顔だけこちらに傾けて言って行った。
「折原の奴……」
書類を捲りながら、高橋さんが呟いていた。
「高橋さん。 お久しぶりですわ。 とってもいらっしゃらない間、会社も経理の事務所に来てもつまらなかったんですからね」
相変わらず、この人の腰のクネクネ具合は凄いなぁと感心してしまう。 まして、高橋さんがいない間は、1回も自分では捺印を貰いに来なかったのに何故……と、疑問に思ってしまう。
「此処、違ってますね」
「えっ?」
そんな紺野さんの言葉を遮るように、容赦ない高橋さんの指摘が続いた。
紺野さん。
高橋さんに指摘されて、表情が歪んでいる。
その光景に、見えない心の悪魔がガッツポーズをしていた。
「んまっ! 私としたことが……直ぐ、書き直して参ります。 でも、これでまた高橋さんにお会いできる時間が増えたから、それも本望ですわ」
決してタダでは転ばない、もの凄い言い訳。
「では、よろしくお願いします」
高橋さんはそう言うと、直ぐに受話器を取って電話を掛け始めていた。
高橋さんを見ながら、紺野さんはまだ話し足りなさそうで不満そうな顔をしていたが、溜息をつきながら立ち去っていった。
前倒しの20日締めは、高橋さんが来てくれたお陰で20時前には終わり、思ったより早く終わったので中原さんもすっ飛んで帰って行った。
やっぱり、中原さんも不安だったのかな。
高橋さんが居ると安心するって、前も言っていたし。 高橋さんが居なくて不安だったのは、私だけじゃなかったんだ。
ふと顔をあげて2人が会話している姿を見ると、心が和んでホッとした。
この景色じゃないと、どうも落ち着かない。
そう思うと、不思議と昨日までの仕事の進み具合よりも順調だし、忙しくてもそれはそれでまた仕事が楽しく感じられた。
やっぱり高橋さんが居ると居ないとでは、中原さんには悪いが雲泥の差がある。
でも、そこは部長職でもあるわけだし、中原さんと比較するものでもない。
1週間ぶりに高橋さんが席に居るのでやたらと経理の女性陣もわざわざ下の子に行かせないで自分で捺印をもらいに来るお局様が多く、それは他の部署にも広がって今は紺野さんまでもが登場していた。
「高橋さん。 モテモテで大忙しですわ」
わざと、お局様の口調を真似て折原さんが通りすがりに通路から顔だけこちらに傾けて言って行った。
「折原の奴……」
書類を捲りながら、高橋さんが呟いていた。
「高橋さん。 お久しぶりですわ。 とってもいらっしゃらない間、会社も経理の事務所に来てもつまらなかったんですからね」
相変わらず、この人の腰のクネクネ具合は凄いなぁと感心してしまう。 まして、高橋さんがいない間は、1回も自分では捺印を貰いに来なかったのに何故……と、疑問に思ってしまう。
「此処、違ってますね」
「えっ?」
そんな紺野さんの言葉を遮るように、容赦ない高橋さんの指摘が続いた。
紺野さん。
高橋さんに指摘されて、表情が歪んでいる。
その光景に、見えない心の悪魔がガッツポーズをしていた。
「んまっ! 私としたことが……直ぐ、書き直して参ります。 でも、これでまた高橋さんにお会いできる時間が増えたから、それも本望ですわ」
決してタダでは転ばない、もの凄い言い訳。
「では、よろしくお願いします」
高橋さんはそう言うと、直ぐに受話器を取って電話を掛け始めていた。
高橋さんを見ながら、紺野さんはまだ話し足りなさそうで不満そうな顔をしていたが、溜息をつきながら立ち去っていった。
前倒しの20日締めは、高橋さんが来てくれたお陰で20時前には終わり、思ったより早く終わったので中原さんもすっ飛んで帰って行った。


