新そよ風に乗って ⑦ 〜Saudade〜

明良さんが、ペンを差し出してくれた。
「ありがとうございます」
適当に、下の方に横線を入れた。
「じゃあ、最後にもう1度、入れさせてもらおうっと」
そう言うと、明良さんは10本以上いろいろなところに横線を書き加えた。
「明良。 そんなに増やして、どうすんだよ。 ややこしくなるだけジャン」
こういうのって、性格が出るのかな。
「いいから、いいから」
明良さんが用紙を戻すと、高橋さんは私の前に用紙を置いた。
「何処が、いい? 好きなところに名前書いていいよ」
「えっ? 最初に選んでいいんですか?」
明良さんと仁さんを交互に見たが、2人とも頷いてくれていたので、少し考えて1番左端のところに名前を書いた。
続いて、明良さん。 仁さん。 高橋さんの順に名前を書き込んだ。
あみだくじの行方は……。
やった!
私は、仁さんのプレゼントが当たった。
その仁さんには、私のプレゼントが当たった。 明良さんと高橋さんは、それぞれ偶然にも自分の買ったプレゼントが当たってしまったので、仁さんの提案でお互い交換することになった。
みんな一斉に、プレゼントを開けはじめる。
とてもワクワクする。
プレゼント交換で、こんな気持ちになるのは何年ぶりだろう。
子供の頃に、戻った気がする。
仁さんのプレゼントを、ドキドキしながら開けた。
「うわぁ……」
思わず感嘆の声を、あげてしまった。
包装紙の中から小さな箱が出てきて、その箱の蓋を開けるとスケルトンになっているオルゴールが入っていた。
「可愛い!」
右側に小さな取っ手が付いていて、それを手で巻きながら聴けるタイプのオルゴールのようだった。
「はぁぁぁああ? 何だよ、これ」
早速、どんな曲なのか聞いてみようとしたが、隣の高橋さんの声に手が止まった。
ど、どうしたの?
「有り得ない」
そんな……。
高橋さん。