慌てて電話に出た。
「も、もしもし……ゴホッゴホゴホ……ゴホッ……」
「もしもし、 家にいるのか?」
ああ。 何だか懐かしい。
今、 いちばん聞きたかった高橋さんの声だ。
「はい……」
「大丈夫か? 今、 下の玄関の前にいる。 開けてくれないか?」
下の玄関の前って……。
それじゃ、 今のインターホンは高橋さんだったの?
「すみません。 ちょっと待っててくだ……ゴホゴホッ……ゴホゴホッ」
「おい。 大丈夫か? ゆっくりでいいからな」
その言葉を聞いて電話なのに黙ったまま頷いて電話を切ると、 持っていた力を振り絞ってインターホンのところまで行き、 解錠を押してから重い体を起こして玄関へと這うようにして向かった。 そして、 高橋さんに会いたい一心で壁に手を突いてゆっくり立ち上がった。
こんな時でもやっぱり恥ずかしさが先にたって、 服装はそのままだったけれど咄嗟に髪の毛を両手で整える。 何とか普通に振る舞いたいと思うのが、 乙女心だったりする。
そして、 ゆっくりドアノブにもたれるようにしてドアを開けた。
するとスローモーションのように、 高橋さんの姿が目に入ってきた。
思わず呼吸の苦しさも忘れて、 その姿に微笑んでいる自分がいた。
「大丈夫か?」
「高橋さん……」
そのひと言を言うのが精一杯で、 そのまま高橋さんの胸に寄り掛かるようにして倒れ込んだ。
「おい! しっかりしろ」
すると、 倒れ込んだ私を高橋さんがベッドに寝かせてくれて、 直ぐ明良さんに電話を掛けていたところまでは覚えていたが、 その後もう1度インターホンの鳴る音で目が覚めた。
朦朧とする意識の中で、 おでこの上に冷たいタオルがのっているのが分かる。 きっと、 優しい高橋さんがのせてくれたんだ。 嬉しいと思えるけれど、 今はそのお礼すら言えない。
玄関のドアの開く音がして、 高橋さんと明良さんの話し声が聞こえた。
「熱、 何度?」
「さっき計った時は、 39度8分」
39度8分?
体温計……。
「も、もしもし……ゴホッゴホゴホ……ゴホッ……」
「もしもし、 家にいるのか?」
ああ。 何だか懐かしい。
今、 いちばん聞きたかった高橋さんの声だ。
「はい……」
「大丈夫か? 今、 下の玄関の前にいる。 開けてくれないか?」
下の玄関の前って……。
それじゃ、 今のインターホンは高橋さんだったの?
「すみません。 ちょっと待っててくだ……ゴホゴホッ……ゴホゴホッ」
「おい。 大丈夫か? ゆっくりでいいからな」
その言葉を聞いて電話なのに黙ったまま頷いて電話を切ると、 持っていた力を振り絞ってインターホンのところまで行き、 解錠を押してから重い体を起こして玄関へと這うようにして向かった。 そして、 高橋さんに会いたい一心で壁に手を突いてゆっくり立ち上がった。
こんな時でもやっぱり恥ずかしさが先にたって、 服装はそのままだったけれど咄嗟に髪の毛を両手で整える。 何とか普通に振る舞いたいと思うのが、 乙女心だったりする。
そして、 ゆっくりドアノブにもたれるようにしてドアを開けた。
するとスローモーションのように、 高橋さんの姿が目に入ってきた。
思わず呼吸の苦しさも忘れて、 その姿に微笑んでいる自分がいた。
「大丈夫か?」
「高橋さん……」
そのひと言を言うのが精一杯で、 そのまま高橋さんの胸に寄り掛かるようにして倒れ込んだ。
「おい! しっかりしろ」
すると、 倒れ込んだ私を高橋さんがベッドに寝かせてくれて、 直ぐ明良さんに電話を掛けていたところまでは覚えていたが、 その後もう1度インターホンの鳴る音で目が覚めた。
朦朧とする意識の中で、 おでこの上に冷たいタオルがのっているのが分かる。 きっと、 優しい高橋さんがのせてくれたんだ。 嬉しいと思えるけれど、 今はそのお礼すら言えない。
玄関のドアの開く音がして、 高橋さんと明良さんの話し声が聞こえた。
「熱、 何度?」
「さっき計った時は、 39度8分」
39度8分?
体温計……。


