胸を締め付けられるような、ひと言だった。
気持ちは変わらないということは、もうミサさんと生きていこうと決めたんだ。 哀しい。 虚しい。 切ない。 どの言葉を今当てはめても、しっくりくるものは見つからない。 そんな容易い言葉では、到底片付けられないから。 
でも、このまま訳も分からない中途半端な気持ちのまま終わりにしてしまったら、きっと一生後悔するから。 だから、ちゃんと向き合って話して欲しい。
高橋さんの本当の気持ちが……知りたい。
病気なのか? 
そうじゃないのか?
高橋さんの体のことが、今はいちばん心配で不安だった。
「俺は、結婚式をドタキャンされた男なんだ」
「えっ……」
あまりにも唐突に、高橋さんは思いも寄らないことを口にした。
けれどその言葉の意味の深さを、この時はまだ知らなかった。