「あの……これ、中原さんから預かってきた書類です」
「そう。 ありがとう。 中原は?」
茶封筒の中身を確認しながら、高橋さんは話している。
きっと、私と目を合わせてくれないんだね。
「な、何か用事があるとかで、それでその……代わりに私が……はい」
嫌だ。 馬鹿みたい。 自問自答して、返事をしてしまった。
「そうか。 悪かったな」
あっ……。
高橋さんがこちらを見たので、目が合ってしまった。
今までも見つめられるとドキドキしたけれど、そのドキドキする気持とはまた違う意味で緊張している。
「と、とんでもないです。 あ、あと、その……これ、お見舞いに……」
来る前に買ったピンクのバラを差し出すと、高橋さんが柔らかく微笑みながらこちらを見た。
「ありがとう……わざわざ」
「い、いえ……」
どんな表情をすればいいのか、恥ずかしさと戸惑いで俯いて床を見ていた。
「膝は、どうだ?」
「えっ? あ、あの……すみません。 お陰様で、だいぶ良くなりました」
当たり障りのない会話。 上司と部下の会話……それでも、高橋さんに会えて、話せて、目を合わせてもらえて……そんな些細なことが嬉しい。
「そうか。 それなら良かった。 今日は寒いから、もう帰った方がいい。 暗くならないうちに」
そう言って、高橋さんがベッドから降りて私の前に立ったので、ますます緊張して返事も出来ずに高橋さんの行動を見ていた。
そんな急に……帰れなんて言わないで。
言わないと。
言わなきゃ分からないだろうって、いつも高橋さんが言ってたもの。
「高橋さん。 教えて下さい。 いったい、何があったんですか? どこが……どこが悪いんですか? 何で、外科に……」
「もう、此処には来ない方がいい」
そんな……。
それは、高橋さん。
もう、会えないってことですか?
本当に、もう終わりなんですか?
「そう。 ありがとう。 中原は?」
茶封筒の中身を確認しながら、高橋さんは話している。
きっと、私と目を合わせてくれないんだね。
「な、何か用事があるとかで、それでその……代わりに私が……はい」
嫌だ。 馬鹿みたい。 自問自答して、返事をしてしまった。
「そうか。 悪かったな」
あっ……。
高橋さんがこちらを見たので、目が合ってしまった。
今までも見つめられるとドキドキしたけれど、そのドキドキする気持とはまた違う意味で緊張している。
「と、とんでもないです。 あ、あと、その……これ、お見舞いに……」
来る前に買ったピンクのバラを差し出すと、高橋さんが柔らかく微笑みながらこちらを見た。
「ありがとう……わざわざ」
「い、いえ……」
どんな表情をすればいいのか、恥ずかしさと戸惑いで俯いて床を見ていた。
「膝は、どうだ?」
「えっ? あ、あの……すみません。 お陰様で、だいぶ良くなりました」
当たり障りのない会話。 上司と部下の会話……それでも、高橋さんに会えて、話せて、目を合わせてもらえて……そんな些細なことが嬉しい。
「そうか。 それなら良かった。 今日は寒いから、もう帰った方がいい。 暗くならないうちに」
そう言って、高橋さんがベッドから降りて私の前に立ったので、ますます緊張して返事も出来ずに高橋さんの行動を見ていた。
そんな急に……帰れなんて言わないで。
言わないと。
言わなきゃ分からないだろうって、いつも高橋さんが言ってたもの。
「高橋さん。 教えて下さい。 いったい、何があったんですか? どこが……どこが悪いんですか? 何で、外科に……」
「もう、此処には来ない方がいい」
そんな……。
それは、高橋さん。
もう、会えないってことですか?
本当に、もう終わりなんですか?


