どんな顔をして、会えばいいんだろう。 別れを告げられたのに、いきなり来てきっと驚くかもしれない。 高橋さんが中原さんに頼んだ書類を私が持ってきたと知ったら……。
明良さんが、ドアをノックした。
「はい」
病室の中から高橋さんの声が聞こえて、手に持っていた書類の袋をギュッと握りしめた。
別れを告げられた時のことがフラッシュバックしてきて、胸が苦しい。 こんなんじゃ、高橋さんに会う自信がない。
「明良さん。 やっぱり私……」
声が小さかったせいで、引き扉を開ける音と重なって聞こえなかったみたいだった。
明良さんがスッと右にドアノブを持って引き扉を開けたが、カーテンで仕切られているのでダイレクトには部屋の中が見えない。
どうしよう……帰りたくなってきた。
今更だが、中原さんから安請け合いしなければ良かったと後悔した。
シャッ! と、カーテンレールの滑りがよいのか、明良さんがカーテンを勢いよく開けると、ベッドに座ってパソコン画面に向かっている高橋さんの姿が見えた。
もう、無理!
書類を持つ手まで震えてきた。 心臓が、破裂しそう。
「ヨッ!」
「また、邪魔しに来たのかよ。 少しは、お前も真面目に働い……」
そう言いながらパソコンの画面から顔を上げた高橋さんは、私の姿を見て少し驚いたのか、前に検査入院した時と同じように、直ぐ明良さんを睨みつけた。
「そんじゃ、貴博の仰せの通り。 夕方の回診にでも、行ってくるかな。 陽子ちゃん。 ごゆっくりねぇ」
その言葉にどう応えてよいのか分からず、黙って明良さんにお辞儀をした。
明良さんが病室から出て行ってしまった後、気まずい空気が漂っていて話しを切り出せないでいたが、書類のことを思い出してベッドテーブルの上のパソコンの横に茶封筒を差し出した。
明良さんが、ドアをノックした。
「はい」
病室の中から高橋さんの声が聞こえて、手に持っていた書類の袋をギュッと握りしめた。
別れを告げられた時のことがフラッシュバックしてきて、胸が苦しい。 こんなんじゃ、高橋さんに会う自信がない。
「明良さん。 やっぱり私……」
声が小さかったせいで、引き扉を開ける音と重なって聞こえなかったみたいだった。
明良さんがスッと右にドアノブを持って引き扉を開けたが、カーテンで仕切られているのでダイレクトには部屋の中が見えない。
どうしよう……帰りたくなってきた。
今更だが、中原さんから安請け合いしなければ良かったと後悔した。
シャッ! と、カーテンレールの滑りがよいのか、明良さんがカーテンを勢いよく開けると、ベッドに座ってパソコン画面に向かっている高橋さんの姿が見えた。
もう、無理!
書類を持つ手まで震えてきた。 心臓が、破裂しそう。
「ヨッ!」
「また、邪魔しに来たのかよ。 少しは、お前も真面目に働い……」
そう言いながらパソコンの画面から顔を上げた高橋さんは、私の姿を見て少し驚いたのか、前に検査入院した時と同じように、直ぐ明良さんを睨みつけた。
「そんじゃ、貴博の仰せの通り。 夕方の回診にでも、行ってくるかな。 陽子ちゃん。 ごゆっくりねぇ」
その言葉にどう応えてよいのか分からず、黙って明良さんにお辞儀をした。
明良さんが病室から出て行ってしまった後、気まずい空気が漂っていて話しを切り出せないでいたが、書類のことを思い出してベッドテーブルの上のパソコンの横に茶封筒を差し出した。


