声は穏やかだったけれど、その目は少し険しい。
「あります」
すると、高橋さんは車をUターンさせて私のマンションの方へと走り出した。
その間、高橋さんに言われたとおり、ハンカチで右手を拭いて違う面で膝を押さえている。
何で、こんなことになっちゃったんだろう。
膝は痛くて仕方がないが、怪我の功名じゃないけれど隣に高橋さんが居る。
高橋さんの車を追い掛けて走っている時は、もの凄く長く感じられた距離が車なのであっという間にマンションの前に着いてしまった。
高橋さんが運転席から降りて助手席のドアを開けると、また私を抱き上げようとして屈んだ。
「あっ! あの……大丈夫ですから」
そんな私の言葉を無視して高橋さんは私を抱き上げて歩き出すと、後ろで自動的に車のロックが掛かる音がした。
「鍵、開けて」
「は、はい」
抱っこされたまま間近で高橋さんに言われたので、慌ててポケットに手を入れたが、どちらのポケットにも鍵が入っていない。
あっ……。
よく考えたら、さっきはそんな余裕もなくて鍵なんて掛けた覚えもない。 きっと、鍵を掛けずに飛び出したんだ。
「持ってないです」
「何? お前。 鍵も掛けずに出たのか?」
「はい……すみません」
高橋さんは深い溜息を突くと、辺りを見回した。
「高橋さん。 もう大丈夫ですから、下ろして下さい」
ずっと抱っこしていたら、重くて大変だもの。
こういう時、オートロックだと大変だ。 もっとも、家の鍵を持たずに出てしまう独り暮らしの人は、あまり居ないだろうけれど。
「あります」
すると、高橋さんは車をUターンさせて私のマンションの方へと走り出した。
その間、高橋さんに言われたとおり、ハンカチで右手を拭いて違う面で膝を押さえている。
何で、こんなことになっちゃったんだろう。
膝は痛くて仕方がないが、怪我の功名じゃないけれど隣に高橋さんが居る。
高橋さんの車を追い掛けて走っている時は、もの凄く長く感じられた距離が車なのであっという間にマンションの前に着いてしまった。
高橋さんが運転席から降りて助手席のドアを開けると、また私を抱き上げようとして屈んだ。
「あっ! あの……大丈夫ですから」
そんな私の言葉を無視して高橋さんは私を抱き上げて歩き出すと、後ろで自動的に車のロックが掛かる音がした。
「鍵、開けて」
「は、はい」
抱っこされたまま間近で高橋さんに言われたので、慌ててポケットに手を入れたが、どちらのポケットにも鍵が入っていない。
あっ……。
よく考えたら、さっきはそんな余裕もなくて鍵なんて掛けた覚えもない。 きっと、鍵を掛けずに飛び出したんだ。
「持ってないです」
「何? お前。 鍵も掛けずに出たのか?」
「はい……すみません」
高橋さんは深い溜息を突くと、辺りを見回した。
「高橋さん。 もう大丈夫ですから、下ろして下さい」
ずっと抱っこしていたら、重くて大変だもの。
こういう時、オートロックだと大変だ。 もっとも、家の鍵を持たずに出てしまう独り暮らしの人は、あまり居ないだろうけれど。


